実はスマホ修理において、「はんだ」作業は切っても切れない関係があります。微細な電子部品の集合体であるスマートフォンはほとんどの部分をはんだによる接合で組み上げています。代表的な作業でいうと「USB充電コネクタの実装」「基板チップの交換」などがあり、故障に合わせてはんだによる様々な補修作業が必要となります。
では、はんだをただ付けるだけで修理は出来るのでしょうか?
実ははんだの仕上がり一つで修理後の再破損のリスクが大きく跳ね上がったり、更には別の故障の原因にもなることがあります。はんだの取り扱いには正しい知識と技術を持つことがリスクの軽減のために大変重要です。
目次
はんだ付けはどんな作業?
はんだ付けは「素材(基板)」と「素材(パーツ)」を、溶かしたはんだ(金属)で繋げる、接合作業の一種です。
はんだは低い温度で溶けるため、はんだゴテなど、300℃前後の熱源でも簡単に溶かすことが可能です。
しかしながらはんだが上手く行っていない場合は、「繋がっているように見えて繋がっていない」「接合が甘くすぐに剥がれる」「はんだにヒビが発生した」など、不具合が起こりやすい状況を作ってしまいます。強度のあるしっかりとしたはんだを行うには、前提となる知識と正しい道具の使用が重要になります。
故障の原因になるはんだの事例
はんだには様々な不良が存在します。ここではわかりやすい例をご紹介します。
オーバーヒート
はんだの表面にツヤがなく、ぐずっとした状態を指します。コテ先の温度が高すぎた、加熱時間が長いなどが原因となります。はんだの強度が落ちるため故障の原因になります。
いもはんだ
はんだが均等になじまず、一箇所に固まってしまった状態を指します。全体を適切に温められていないなどが原因となります。繋がっているように見えて、簡単に剥離することが多いため高い確率で故障に繋がります。
はんだ過多・不足
上2本ははんだ過多、下2本ははんだ不足です。はんだを供給する量が多すぎたり、少なすぎたりすると発生します。どちらも合金層が正常に形成されているか確認が取れないため、強度不足の可能性があります。
ツララ
はんだの表面に角が立ってしまっている状態です。過加熱や熱不足によって起こります。適切な加熱ではないため、合金層が上手く形成されていない可能性があります。
ショート(ブリッジ)
はんだが横のパターンと繋がってしまった状態です。はんだ量が適切でない場合に起こります。このまま通電してしまうとショートの可能性があるため、非常に危険です。
パーツ浮き
パーツが浮いたままはんだがされた状態です。はんだは柔らかいため、パーツと基板に距離があると強度不足となる可能性があります。また、ケースに納める場合は干渉してしまうことがあり破損に繋がります。
- Point
- はんだの不良は様々ありますが、どれも強度不足や動作不良に直結するものばかりです。
良いはんだは見た目でわかる
はんだの悪い例に共通していることは、「正しい見た目」とされる仕上がりの基準に達していないという点です。
はんだには「正しい見た目=正しいフィレット」というものが存在しています。
強度のあるしっかりとしたはんだは、フィレット(はんだが盛られた表面)の形状を元に判断されます。
正しいフィレットの基準について
正しいフィレットの形状は「富士山のよう」と形容されます。パーツの足から基板にかけて、はんだが富士山のように滑らかな曲線を描いていることが理想です。正しいフィレットの場合は合金層もしっかりと形成されていることが証明されています。
- Point
- 正しいフィレット=強度のあるしっかりとしたはんだの証明です。
- 上記以外にも「パーツの足の形がしっかりと判別できるはんだ量」「ツヤのあるきれいなはんだの表面」なども大切な基準になります。
当店の特徴
強度のあるはんだ付けを行います!
はんだは非常に奥が深く、仕上がり一つで完成後の強度に大きな差が出ます。
特にUSBパーツなど、常に物理的な負担のかかる箇所の場合は強度の足りないはんだによって再破損のリスクが大幅に上がります。
当店では完成後も長期に渡ってご使用頂くために様々なこだわりを持って作業を行っています。
はんだ検定1級資格所持
「NPO 日本はんだ付け協会」主催の「はんだ付け検定」にて1級資格に合格したスタッフが多数在籍。強度のあるしっかりとしたはんだ付けを行うための知識と技術を習得しています。
専用機材の使用
はんだ作業は道具が命。熱を安定して伝え、きれいなフィレットを形成するために様々なプロ機材を取り揃えています。他店で断られるよう狭小ピッチも専用の機材でご対応可能です。
微細はんだに対応
目視の難しい0.2mm幅の微細チップもしっかりとご対応が可能です。小さなパーツでもフィレットを意識した強度のあるはんだ付けをします。
安定した熱管理
はんだ付けは熱の管理が非常に重要です。熱すぎればパーツが痛みはんだもグズグズに、、少しでも熱が足りないとはんだがなじまず強度不足に、、
当店では状況に合わせリフロー機材も使用し、ダメージを最小限にした施工を心がけています。
普段のはんだ作業をYoutubeでもご紹介中です。実際の作業風景はこちらを御覧ください。
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